活躍する防犯の達人- vol.002 伊藤 俊二 さん –

横須賀市の「住宅街防犯カメラ」の設置に携わって

(株)伊東ボーハン代表
NPO神奈川県防犯設備士協会
伊東俊二

平成21年3月27日に、横須賀市ハイランド自治会館内に於いて横須賀市長、並びに浦賀警察署長他ご列席の中、 盛大に「住宅街防犯カメラ」の完成式典が行われ、私も神防設会員且つ(株)伊東ボーハン代表として臨席の栄に浴しました。 ここにその経過の一端をご報告させて頂きます。

<背景>
本件については、平成19年6月に横須賀市ハイランド自治会より住宅街の治安を守るため、地元浦賀警察署生活安全課へ『防犯カメラを設置したい』と相談が入ったのがスタートでした。
私は以前より横須賀市役所主催で行われていた「地域防犯リーダー」の講習会で何度か浦賀署生安課の方々と顔見知りになっていたため、私の方に要請が入り、翌月(平成19年7月)にこれら三者(ハイランド、浦賀警察署、私)の初会合がハイランド自治会館で実施されました。
ハイランドは機器選択について、中立の立場で専門的にアドバイスできる人が必要でした。
その後 理事長の承諾を得て、「NPO法人神奈川県防犯設備士協会」の派遣担当者として参画させて頂く事ができ、その上に最終的には自治会側の配慮もあり、工事と保守を担当させていただけた事も非常に幸いでした。
また行政側の後押しとして計画段階の中で、横須賀市が決定した「住宅街の防犯カメラ設置」に対する補助金の交付制度が設置の追い風となりました。
横須賀市では平成20年度より、犯罪抑止目的のため住宅街公道上に設置する防犯カメラに対して、補助金交付制度を開始しました。

<システム構成>
本カメラシステムは右図記述通りの内容で地上高約6mのポールに2.5m高に積算電力計、その上に録画装置等の収納函、さらにその上にカメラを設置。
撮影目的はハイランドに出入りする車両を対象に撮影。
これらの複数の電源を使用するため、電力料金方法は定額制ではなく積算電力計を使用する従量制を採用となりました。
インターネットの方式も検討しましたが7ヶ所+1ヶ所で年間の費用が約¥60万程度かかることから断念、各々の箇所で録画装置を設置する仕様を住民側の総意として決定しました。
録画映像の取り出しは、各々の建柱ポール収納函内の録画装置より無線LANにて取り出しとしました。結果天候に左右されず指定されたノートパソコンで、防犯カメラ設置の近傍の車中でダウンロードでき、1時間のデーターでは約10分程度(約330Mb)でダウンロードが可能です。
この作業は全てハイランド防犯カメラ運用委員の方々により実施されます。

<稼働実績>
本年3月末から運用を開始していますが、すでに浦賀警察署からの要請で4回録画映像の提出を行いました。そのうち一件は「交通事故ひき逃げ」でしたが、犯人の特定に参考となり事件は解決しました(浦賀警察署より連絡有り)。

<結論>
せっかく取得した防犯設備士、総合防犯設備士。日常の生活の中で地域防犯といかに結びつけていくか、日頃から行政等への関係を強化していく必要があると思います。
私の場合は居住地区の町内活動からが始まりでした。