活躍する防犯の達人- vol.007 武富 正隆 さん –

ASES(総合防犯士会)の横顔(5) わが社のこと、ASESのこと雑感

オーテック電子株式会社
営業部 企画担当次長 総合防犯設備士 武富 正隆
(登録番号 第01-0029号)

私が勤務している「オーテック電子(株)」は、昭和30年に英国デッカ(DECCA)社の日本総代理店「海外貿易(株)」として創業。デッカ社製船舶レーダの国内組立、製品販売と日本各地の主要港におけるアフターサービスを主たる業務としていました。

その後、特殊光学装置の発明と特許取得を機にメーカへの転換を図り、警報器事業部を設立して保安管理機器の製作を開始しました。同38年6月に同事業部を独立させ、オーテック電子(株)となりました。社名の「オーテック」は、海外貿易のエンジニアリング部門時代のデッカ社からのテレックス略号「OTEC:Oversea Trading Engineering Company」に由来します。また、「電子」は「Electronics 」と「Software 」がこれからの産業をリードするということで、Electronicsの訳語「電子」を採用したそうです。

ところが当時、カタカナとか電子が社名にあるのは一般的ではなく、会社創業者によると、繊維産業に多かった「○×テックス」とよく間違われて繊維業ですか?とか「でんこ」とはなんですか? とよく聞かれたそうです。また、当時は「セキュリティ」への関心は低く、大金持ちとか有名人の邸宅に警報器を設置していたそうで、今の「ホームセキュリティ」のハシリであった。その後、電力会社、重工業、官公庁など、重要インフラで、お金の心配の少ない大型セキュリティに事業を転換し、今日に至っています。

さて、ASES(総合防犯士会)ですが、公益社団法人日本防犯設備協会(以下「協会」と略)がまだ社団法人の頃、内部組織である「総合防犯設備士委員会」のメンバーの有志及び全国の総合防犯設備士の有志33名が発起人となっており、設備(ハードウェア)だけでなく、地域防犯、防犯対策、防犯監査など、いわゆるソフトウェアについても社会に提言していこうということで、敢えて「設備」を外し「『総合防犯』」を考え、行動するサムライ(士)会」として設立しました。

ASESは「Advanced Security Expert Society」の略で、「アセス」と呼びます。

当時、委員会活動と協会事務局職員だけでは総合防犯設備士(及び防犯設備士)の認知度向上、働く場の創出、設備士同士の横の連携などを図っていくには十分ではないことがわかってきました。
特に、協会の第1次中期計画にあった「国家資格化、またそれに準ずる資格制度の要望も高いため、継続的な検討と関係機関への働き掛けを行う必要がある。」としていたにもかかわらず「規制緩和」を理由として国家資格化等への実現可能性がほとんど消えかけたことに危機感を募らせ、協会の外からも働き掛けをしていくのが望ましいとしてASESが設立されました。

人々が文化的で安全に暮らすために必要な規制、いわゆる社会的規制さえも緩和し、人々の生命、財産などを守る防犯設備の設計・施工・維持管理を業とし、防犯に関する専門研修を受け、また技能も認定され、更に倫理観を持った防犯設備士を国が保護せずに、防犯設備士以外の人がこれらの業務に携わったらどうなるでしょうか? 防犯設備士又は防犯設備業者を国家資格として保護することは結果的には国民の安心・安全を守ることにつながると考えています。

協会の目的は、防犯関連事業従事者として資格認定された防犯設備士、総合防犯設備士による安全で信頼できる防犯設備等の普及促進を図ることで国民生活の安全に資することにあり、ASESの目的も協会の目的と同じです。また、協会の目的遂行を支援する活動、協会と相互の意思疎通を図り連携した活動を行うことを活動方針としています。

読者の皆様、関係者の皆様におかれましては当会の活動に御理解と御支援を賜り、また、御鞭撻を賜りますよう、当会を代表してお願い申し上げます。

なお、当会のホームページ及び事務局への御連絡は次のとおりです。 ホームページ:http://www.sogobouhan.org/
メールアドレス:info@sogobouhan.org